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宮崎駿監督作品「風の谷のナウシカ」を鑑賞

近くの映画館でスタジオジブリの4作品が上映中です。アニメ映画「風の谷のナウシカ」を観られるとわかり、足を運びました。数々の賞を獲り、あまりにも有名な作品です。私はすでに3回は観ているでしょう。大画面でテレビとは違う迫力を堪能しました。

主人公は、風の谷に住んでいる族長ジルの娘ナウシカです。知的で優しく勇気があり、村の人びとからは「姫さま」と慕われています。ある日突然、風の谷へ巨神兵を乗せた飛行機(作品内では「船」と称しています)が不時着します。巨神兵は生物兵器で、強烈な火を吐き出します。千年前に地球を7日間で焼き尽くしたというとんでもない破壊力を持っています。巨神兵は地下に眠っていたのですが、それが掘り出されたのです。地球上で覇権を目指すトルメキア国とベジテ市が巨神兵をめぐって熾烈な戦いをすることになります。トルメキア国の皇女クシャナとベジテ市の王子アスベルの利害は真っ向から対立します。ナウシカは複雑な状況の中で二人と特別な関係を築きます。

かつての戦争で大部分の世界は滅び、人間の住める地域はごく限られ、広大な地域は腐界(ふかい)となり、人間が住むことはできません。しかし、そこには王蟲(おうむ)という巨大な虫が住んでいます。風の谷はきれいな海風を受けることによってマスクをつけなくても暮らすことのできるかぎられた地域です。

巨神兵で腐界を焼き払い、正常な世界に戻そうと主張するクシャナと、ナウシカは鋭く対立します。ナウシカは経験と観察から、腐界の底では自浄の営みが行われ、クシャナの主張する方法では世界を再生することはできないと確信しているからです。

トルメキア国とベジテ市の対立が原因で、何百万という王蟲(おうむ)の大群が風の谷に押し寄せます。クシャナは巨神兵を使って王蟲を焼き殺そうとしますが、望みを果たすこできませんでした。ナウシカの王蟲に対する愛と情熱が王蟲の大群を食い止めます。この光景をクシャナもアスベルも目のあたりにします。ペジテ市は兵を引き、トルメキア軍も風の谷から撤退します。風の谷は元の平穏を取り戻します。

宮崎監督の飛行機好きはよく知られてれています。「くれないの豚」、「風立ちぬ」は飛行機乗り、飛行機制作者が主人公です。「風の谷のナウシカ」では、主人公が乗る飛行機(グライダーと言うべきか)「メーヴェ」(ドイツ語でカモメの意)が爽快感を醸し出します。

次の場面を私は初めて観たときから忘れられません。今回もじっくり観ました。風の谷の住人3人がトルメキア国の人質として囚われています。そこにクシャナがやってきます。囚人は口々に言います。「あんたも姫さまじゃろうが、わしらの姫さまとはだいぶ違うの」。「この手をみてくだされ。ジルさまと同じ病じゃ。じゃが、わしらの姫さまはこの手を好きだと言ってくださる。働き者のきれいな手だと言うてくれましたわい」。「あんたは火を使う。わしらもちょびっとは使うがの。大きすぎる火は何も生みはせん。火は一日で森を灰にする。水と風は百年かけて森を育てる。わしらは森と風の方がええ」。

声優の声がとてもいい。ナウシカはもちろんですが、トルメキア国のクシャナ皇女の声は、鋭く理知的で印象的です。忘れられません。音楽は久石譲が担当。これがまた素晴らしいできばえです。

「風の谷のナウシカ」は、人間が巨大兵器を使用したことによって、地球と人間が滅びざるをえなかった状況を描いています。かろうじて生き残った数少ない国も他国を力によって支配しようとします。映画としてエンターテインメントの要素をふんだんにちりばめながら、大量破壊兵器、環境破壊、覇権主義に、一方で自然との共生に思いを馳せさせる映画となっています。

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